もの食う人々

会社帰りによく行く定食屋さんに入った。


席に着いたら、左にはかっこいいコートを着たいかにも真面目そうなリーマンって感じの人がいて、右にはふくよかなオタク風の男がいた。
リーマンは、背筋をぴんと張って行儀よくマグロ丼とうどんを食べている。その所作は驚くほど美しい。
一方オタク風の男は、チーズハンバーグ定食をくちゃくちゃと音を立てながら汚く食べている(くちゃくちゃの音が本当にでかい)。もう見ていて本当に見苦しい。

自分はどっちの人間なんだろう、と考えてしまった。


リーマンが去ったあと、いかにもガラの悪い中年の男が隣に座った。やたらと大袈裟な動作で席に着くときもコップを置くときいちいちうるさい。そして、店員に「豚汁味薄めに作れやあ!!」と怒鳴り、店員が厨房にそう伝えると、中年は「おい、何を聞いとんねん、チキン南蛮の味を薄くせえ、いうとんじゃ!!!」とさらにボリュームアップで叫んだ。

何なんだ?
もう嫌になっちゃう。



別にオチも何もないけど、印象に残ったのでこうして文字にしてみた。